【ブックレビュー】起業の科学 スタートアップサイエンス ①アイデアの検証
企業家が必ず直面する課題と対策を、時系列に整理。成功を夢見る前に、ありがちな失敗を必ず潰す、ありそうでなかった「起業の教科書」(本の帯より)
アマゾンのビジネス書部門で昨年度ベストセラーとなった『起業の科学 スタートアップサイエンス ①アイデアの検証』を読みました。本の帯の通り、スタートアップが陥りやすい失敗が、「アイデアの検証」「課題の質を上げる」「ソリューションの検証」「プロダクトマーケットフィット」「スケールするための変革」という順に、時系列順にまとめてられています。この記事では①アイデアの検証について印象に残ったことを書いていきます。
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イシューからはじめよ
世の中にはたくさんのビジネスアイデアがあるが、目指すべきは課題の質とそのソリューションの質がいずれも高いアイデアである。その両方が揃うからこそ、市場で輝きを放つエアイデアになる。そして「課題の質を上げる→ソリューションの質を上げる」というパスは存在するが、「ソリューションの質を上げる→課題の質を上げる」パスは存在しない。よって、スタートアップを始めるに当たって真っ先に注力すべきことは、解決を目指す課題の質を向上させることだ。筆者は1500以上のスタートアップを見てきたが、「イシュードリブン」でなく「ソリューションドリブン」「プロダクトドリブン」「技術ドリブン」であるスタートアップがあまりにも目立つという。
課題を軽視して大失敗
【グーグルグラス】発売当時で17万。プライバシーも問題に。課題・アイデアの検討が不十分で「プロダクトドリブン」だったため失敗
【アップルウォッチ】アップルの思うほど、ユーザーは腕時計サイズのスクリーンで地図を見ず、買い物もしなかった
課題の質を決めるファウンダー3つの要素
①高い専門性
②業界の知識
③市場環境の変化(PEST)に対する理解度
④「自分事」であるか
「痛み」の当事者であったりや共感を持たないと、課題を本気で磨き込むことは難しい
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自分のビジネスプランたちを見返してみても、プロダクトドリブン、テクニックドリブンなプランは、周りにはウケるんだけどあまり磨き込めず、逆にイシュードリブンで考えたプランは深くまで考え込めるので、最終的な満足度や周りの評価も高かった気がするなあ。
「物々交換×自慢」というアイデアで大船渡のビジコンで最優秀賞を獲ったプラン「物々交換ネット市場 おらほの自慢」は、「大船渡の観光客・人口減少」というイシューに真正面から向き合ってた。
「作り手×創り手」のマッチングを目指した「ツナグ」は、自分が「生産者やデザイナーの課題」を良く理解しておらず、webサイトのUIなど小手先の勝負=プロダクトドリブンになっていた結果、プランの磨き込みがおろそかになっていたのだと思う。
「痛み」をいかに自分ごととして捉えられるか。出来るだけイシュードリブンで考えていきたいと思います!